交流のない孫同士の間で、遺産分割・遺骨の改葬について話し合いをしたケース
状況
函館にお住まいだった祖父が亡くなり、相続人は相談者と相談者のいとこ(名古屋在住)の2人でした。
祖父には子供が2人いましたが、すでにどちらもお亡くなりになっていたため、いとこ同士が相続人となってしまっていた状況です。
相談者の叔父は子供が生まれた後に離婚しており、姪は5歳で母と共に家を出ていました。
そのため、相談者とはいとこ同士でしたが、交流は一切ありませんでした。
遺産は、地銀等にある預金と現金でした。
祖父は函館のお寺の納骨堂にある遺骨の供養もしていましたが、祖父亡き後に誰も遺骨を管理できる人がいなくなるため、遺骨の改葬をすることを住職から提案されていらっしゃいました。
この納骨堂には、離婚後に亡くなった相談者の叔父の遺骨もありました。
提案・実施内容
戸籍調査から交流のない、いとこが現在名古屋に住んでいることが分かりました。
祖父が亡くなり、いとこにも相続権があること・遺産分割の必要があること・別かれたお父さんの遺骨を改葬する必要があることなどを、いとこに伝えるための手紙の原案を提案し送付しました。
数回の手紙に返答がこなかったため、相手が返答したくなる工夫を加えた最後の手紙を期限を区切って送りました。
結果
無事期限内に手紙に返答をいただき、いとこ同士で遺産分割協議をすることができました。
預金の分配とあわせて、懸案事項だった遺骨の改葬をすることができました。
ポイント
お墓問題が深刻化しています。
これまで、お墓の管理をしていた方が亡くなり、その地に引き継ぐ方がいなくなるとお寺側も困ってしまいます。
遺骨を改葬するにはそれなりの費用もかかります。
遺骨の改葬・供養・管理を引き継ぐ方に、多めに遺産を分ける配慮も円満に遺産分割をするためには必要です。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人いとう事務所
代表
伊藤 みゆき
- 保有資格
司法書士 相続アドバイザー(上級) 終活カウンセラー
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・生前贈与
- 経歴
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司法書士法人いとう事務所の代表を勤める。15年以上、札幌のみなさまの相続手続・不動産の相続登記・遺言書作成・相続放棄・生前贈与等に関するお手伝いをさせていただいている。上級相続アドバイザーや終活カウンセラーの資格も取得しており、相続手続に関する適切な順序や、どの専門家へ相談するべきかについて的確にアドバイスしている。