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父の相続で関係ないと思っていた亡き弟の子(離婚のため全く付き合いがない)も遺産相続にかかわると分かって、困ってしまったケース
状況
父が亡くなり、長男が相談にいらっしゃいました。父の遺産は、預貯金と土地がありました。土地の上には、相談者名義の建物が建っており、ここで父と同居していたようです。相続人は、相談者の他に姉がおり、土地は相談者、預貯金は姉が相続するという事で話がまとまっていました。しかし、詳しく話をきいていると、相談者と長女の他に弟がおり、弟はすでに亡くなっていました。相談者は亡くなった弟は父の相続に無関係と思っていました。亡くなった弟は離婚していて、子供(甥)がいるそうですが、疎遠でどこにいるか相談者は知りませんでした。
実施
まずは、父の相続人の確定をするために、父の戸籍を遡りました。また、亡くなった弟の戸籍を調査し、甥は道外にいることがわかりました。
父の相続財産についても調査をし、財産目録を作成しました。相談者と長女に遺産分割の方法について意向を聞き、甥へ手紙をお送りしました。
結果
甥と無事に連絡が取れ、相談者の希望通り、土地は相談者・預貯金は長女が相続し、それぞれから甥に代償金をお支払いする事になりました。
当事務所で遺産分割協議書を作成し、土地を相談者の名義へ変更し、預貯金を解約し、甥へ代償金送金、長女へ残金送金をしました。
ポイント
どんなに疎遠でも、住所が分からなくても、相続権がある人は探して遺産分割協議に参加してもらう必要があります。相続が発生する前なら、遺言書を書いておくなどの方法がありますが、相続が発生してしまった後は全ての相続人で遺産分割をする方法しかありません。