更新日:2024.04.01
投稿日:
相続税はかからないが配偶者居住権を使って遺産分割をしたケース
状況
ご相談者は亡くなった方の後妻さん。亡き夫には前妻との間に娘が3人おり、ご相談者は亡き夫名義の札幌市内の戸建てにお住まいでした。
遺言書はなく、遺産としては自宅としての戸建てと預貯金がありました。
提案・実施
前妻の子供たちは法定相続割合で遺産分割をすることを希望しているとのことですが、4人だけで遺産分割についての話し合いをするのは難しい間柄です。後妻さんから遺産についての資料をお預かりして相続人を確定し、財産目録などを準備したうえで相続人全員の話し合いに立ち合いました。相談者としては、住み慣れた家に今後も住み続けたいが法定相続で遺産分割をするとなると家を相続したことで子供たちに払う代償金の額について不安がある様子でした。2020年の民法改正でスタートした配偶者居住権を使って遺産分割することを提案しました。
所有権は子供の一人が相続して、後妻さんは配偶者居住権を取得。税理士にそれぞれの評価を計算していただき配偶者居住権の登記もしました。
結果
後妻さんにとっては、住み慣れた家に住み続けることができたうえに預貯金も相続することができ老後の生活資金の不安も解消できました。子供たちは父の残した実家をすぐには売れないけれども、後妻さんが亡くなったあとは処分でき、後妻さんの兄弟に相続されることはないため安心して遺産分割することができました。
ポイント
結婚・再婚などの事情により相続人の関係が複雑になり当事者だけで遺産分割の話し合いをすることが難しいケースがあります。
遺産分割方法についても、それぞれの事情に応じて提案させていただきます。